HACCPの義務化が始まった理由について

物流の手法の改善と機会の増加から、国をまたいでの食品の流通が盛んに行われています。これまでは、それぞれの国において独自に基準を設けたり衛生に関する法を整備することで、食の安全を保とうとしてきました。しかしながら食の国際化が進んでくると、生産する側ではそこでの法に準拠していたとしても、受け入れる側の国における法に逸脱してしまうケースや、輸入する国に適切な法がなかったことでこれまでとは異なる食品が入ってきてしまうといった問題点が出てくるようになります。統一した基準が設けられていればこのようなことは起こりえませんので全世界的な基準を設けようとして、FAOと呼ばれる国連食糧農業機関とWHOと呼ばれる世界保健機関との合同機関のCODEX委員会からHACCPが発表され、採用することを各国に推奨していくこととなりました。

HACCPでは、原材料の受け入れから製品が出来上がるまでの全工程において、金属などの異物混入や微生物などによる汚染といった危害をあらかじめ予測しておき、こうした危害を防止できる工程を継続的に管理して記録を行います。これまで行われてきた事業所が独自に定めた基準や長年の経験や勘による管理ではなく、危害の予測と製造工程における事故発生時の影響の大きさをリストアップし、適切に防止ができるように管理点を設けて実行と記録をします。こうした手法をすべての事業者が確実に行うためにわが国でも、これまであった食品衛生法を2018年に改正し、食に携わるすべての事業者にHACCP導入を義務付けがなされました。食のグローバル化と安全に対する意識の高まりを受けたものであるのが、法改正の主な理由であります。

2021年6月までには、すべての事業者はHACCPに着手しなければなりません。この管理方法で生産された食品であれば、国内はもちろんのこと海外への輸出であってもスムースな受け入れが期待できます。

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